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日々徒然。オタク話多いですよ。
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*この花が散るまでに



あの子供に会える。
会えない。
会える。
会えない。
会える。

……会えない。

ガチ、と軽い、けれど非常に重い音が俯いた頭のすぐ傍で鳴った。

「中尉…。どうしたらいいものかね。もう一回、」
「とりあえず私が本気で引鉄を引く前に仕事をしてください。」
「もちろんするとも。君にこんなところで発砲させるような失態は犯さないよ。だがね…」
「こちらが最も急を要する書類です。サインを。」
「分かった、分かったとも。だからいい加減銃を下ろしたまえ。」
「ちなみに奇数枚数の花弁を持つ花でおやりになったらいいと思いますが。ご自宅で。」
「またそんな現実的なことを…君にはロマンチッ……。待て待て了解した。」

徐々に彼女の顔が(冷たい)笑顔になっていくのに耐えられなくなって手にしていた枝を元の花瓶に戻した。
涼やかな視線が花に移される。

「珍しい花ですね。」
「あぁ。知り合いの花屋がおまけにと一枝くれたんだ。遥か東の国の花だそうだ。」

積み上げられた書類の山を切り崩していく作業は集中すれば容易いものだ。
素早く内容に目を通して決済に必要なサインを記していく。
手を止めることなく一山登りきったところで、副官に手渡す。
彼女は一礼すると静かに退室して行った。


「今頃はどこでどうしているのやら。」

彼なら花をゆっくり愛でる時間も惜しんで自分たちの目的のために突っ走っているのだろう。
それこそ花を蹴散らす嵐のような勢いで通り過ぎるのだ。

早く帰ってこい。
この小さく可憐に咲く花を一緒に眺めよう。


***

大佐が乙女。気持ち悪いです…。
きっと全部きれいに散った後でタイミング良く兄さんは顔を出します(笑)
床に散って落ちた花びら見て「ゴミだらけだな。たまには掃除しろよ」とか言われそう。

家のあたりはまだ1分咲き程度です。
気が逸りますね。花見が楽しみです。


拍手ありがとうございます!
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